Sunday, July 24, 2011

人から借りた本感想文:『晴れ、トキドキ胸キュン』 斉藤ミチル

引っ込み思案であまり目立たない優等生の女子高生、文子がある日偶然出会ったのは隣町で札付きのワルとして有名な金髪のハルキだった。全く違うタイプでありながら惹かれていく二人。そしてある日、ハルキが暴走族に乱暴されそうになっている文子を助けたことで二人は急接近し、めでたく雨の降る公園のベンチで結ばれる。ラブラブな期間も束の間、なんと文子の妊娠が発覚。両親の猛反対にも関わらず、家族として生きていくことを決意する二人。ハッピーエンドかと思った矢先、ハルキは親友に騙されて死体遺棄事件に関わってしまう……。

優等生を標榜しているクセに、ハルキの誕生日になにもプレゼントができないからといって、同級生の親が経営する花火工場に火を点けて二人で「きれいだね」なんて見物してしまったりする文子が最凶。真似してはいけない。またバレンタインの時に徹夜で作ったチョコレートが盗まれてしまうのだけれど、間違って青酸カリを入れていたため、文子たちの恋路を邪魔しようとしたハルキの幼馴染カノンが死んで犯人が発覚するというブッ飛んだエピソードも。「次は砂糖と青酸カリ間違えんなよ」と文子の頭をポンポンと叩きながらちょっと嬉しそうにチョコレートを握りしめるハルキはとても寛容で思わず胸キュンしてしまった。

文子は最後に巨大化して東京副都心を襲うのだけれど、都民はそれを自然に受け入れて、何のリアクションも示さないところがちょっと新しいと思った。まあテレビ付けたら一日一回ぐらいは何かが巨大化しているし、日本人にとっては何も不思議のない自然なことなのだろうなんてガイジンが言いそうだ。ちなみに頭からボリボリと食べられる石原都知事は作者が敬愛するゴヤへのオマージュらしいです。

普通よりちょっと面白かった。

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