Mさん(以下M):えっと、まあ早い話、ウチの女房が浮気してる現場を目撃しちゃったんですよね。
T:えっ!
M:コリーなんですけど、子犬の時に売れ残ったヤツをそのまま飼ってたヤツで。なんていうか、もう完全に飼い犬に手を噛まれましたよね。
T:っていうよりも『飼い犬に女房をファックされた』ですよね(笑)。
M:ははは。
T:で、そのまま家を出られたんですか?
M:いや、まあ、それなりの復讐というか、なんというかはしたんですけど、まあ、そうですね。
T:この場所のことはずっとご存知だったんですか?
M:いや、なんというか、ちょっと捨てなきゃならないものがあったんですけど、でもなかなか捨てられなくて、ずっと都内を彷徨ってたらもう疲れちゃって。もう焼けっぱちになって川にでも流してやれとここまで来たんですけど、ヘドロが溜まっていて全然流れてないんですよ(笑)。でもだったらヘドロの下にでも埋めようかと思ってとりあえず橋の下まで下りてみたら、なんか鉄柵があるのが見えて、この中だったら捨て場所にぴったりだなと思ったんですけど、まさか開かないだろうなと思ったら案外鍵が掛かってなかった。
T:へぇ、で、捨てなきゃならないものって何だったんですか?
M:ここをずっとまっすぐ下って行くとね、4000 トンの水が貯まってる冠水対策用の貯水槽があるんですよ。4000トンって想像できますか?
T:いや、全然。
M:とにかくでっかいんです。で、日本は雨が多いし、そんな量の水を抜く事なんて不可能だから、重石をつけて沈めれば何も浮かんで来ない。
T:へぇ、じゃあ死体なんかも捨てられるんですね。覚えておきゃなきゃ、って冗談ですけど(笑)。
M:ははは。
T:でも、とにかく捨てなきゃならないものを捨てたんだったら、もう地上に戻っても良かったじゃないですか。なぜここに残ることを決意されたんですか?
Mさんの口から出た答えは意外なものだった。
(インタビュー PART 3 に続く)
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